第4章 転職で後悔?つらい思いをしない会社の選び方

転職するぞ!と決めても、いざ実際に行動するとなると恐らく不安になると思います。

WEB上では「転職したら地獄だった。」とか「転職先は最高だった」といった記事が散見されますが実際はそんなに極端なものではありません!

重要なことは、「いかに事前にリスクを最小化し、プラスの要因を増大させるか?」です。
今回の記事では、リスク最小化のための転職で後悔しないための絶対外せない事柄についてまとめました。

本記事を読めば、

転職した後に「なんで事前に調べておかなかったんだ!」と後悔することが圧倒的に少なくなります!


具体的なメリットは次の通りです。

転職活動以前にやっておくべきことがわかる。
・巷であふれる内容の中で重要な部分がわかる
・実際に転職すべきか否かを数字で把握することができる

逆に、以下のようなデメリットもあります。

・いかなる負担もかけずに楽に転職活動を行いたい方には合わない。
・あまり上昇志向のない方には合わない。

やはり、どんなことでもそうですが、楽々全てがうまくいく。という話は無いですね。
さて、本題に入っていきます。

転職で後悔するポイントは、ほとんど決まっている。

多くの人が転職で後悔するポイントはほぼ決まっています。
ネット上に様々な情報が公開されていますが信頼性の高いデータでは以下の通りとなっています。

(出所:識学のデータを編集)

ここからわかることは、転職後共通して後悔するポイントは、以下の3つに集約されるということです。

①給与が下がったこと/昇給制度
②会社の雰囲気が合わなかったこと
③仕事内容や役職が話と違っていたこと/昇格制度


後悔しないためには、上記の3つポイントに対して対策しておく必要があります。

私が、個別に「昇給制度」と「昇格制度」を付け足していますが、これは中途入社に対する対応が実際のところどうなっているのか?が確認しておくことは極めて重要だからです。

現在も将来も満足できないのか、それとも将来には期待できるのか、で雲泥の差があります。

また、自分自身の特有の譲れないポイントも明確にしておきましょう

転職する理由は人によって異なります。理由が一般的なものだけでなく、特有の事情がある場合は外してはいけません

例えば、
通勤時間が長すぎてつらい
残業時間が長すぎてつらい
体育会系のノリがつらい

などです。

後悔を避けようとしすぎて失敗するパターン

逆説的ですが転職活動で後悔したくないと思いすぎて失敗するパターンがあります。
全てが満たされる職場は存在しない。という事実を認めることが極めて重要です。

そうでなければ、永遠に理想の職場を追い求めることになります。
現在の職場でも全てが満たされている。というわけではありませんよね。

一見、高給でやりがいがあってブランド力もある華々しい会社であってもやはり不満があります。SNSと同様に、外から見ればきらびやかでも実態はそうでも無いのと同じかもしれませんね!

では、具体的にどのように行動すればよいのでしょうか?

転職に公開しないための事前確認事項 ~自己分析編~

まず転職で後悔しないためには自己分析をしておく必要があります。
しかし、自己分析をしたところで、全く転職活動が進んでいる感じはしませんので時間のムダだと思うかもしれません。

実は、私も、そう思っていました。

ですが、騙されたと思って一度整理してみてください。
そうすることで、実は転職活動をしなくても今の会社で上司にぶつけることで希望の仕事を得られる可能性も出てきます。

面倒かと思いますが非常に重要なステップですので是非とも取り組んでみてください。

この記事で記載した確認事項は、数多くある転職サイトのチェックリストをまとめています
従って複数のサイトを読んでいく手が省けるかと思います。

ただ、一般的なチェックリストは有名サイトが作っているだけあって有益ではあるのですが、これは転職をビジネスとする企業側が書いています

従って、転職活動している当の本人から見れば

「そこまでやっている時間はない。」
「結局、どれが重要なのかわからない。」
「具体性に欠ける。」

などと温度感の違いを感じることも多いでしょう。

従って、以下の確認項目では、転職活動を行っている人から目線で、まずやっておいてほしいことを整理しています。

まず、多くの転職サイトで示されている「転職活動前の準備チェックリスト」をまとめました。
以下を見ておけば、転職活動を本格スタートする前にやることは、ほぼ網羅できています

1.転職理由を明らかにする(今の職場の不満を明確にする)
2.理想の働き方を明確にする
3.キャリアの棚卸をする
4.就職活動と転職活動の違いを理解する
5.転職活動のスケジュールを明確にする
6.自分の長所・短所を整理する(自己分析を行う)
7.転職前後の資金計画を立てる
8.情報収集を行う

これらの中で、まず絶対にやっておくべきこと
「転職理由を明らかにすること」と、それを整理しておくことだけです。

そして意外かもしれませんが、
「転職前後の資金計画」というのも実は重要ですが、この段階では後回しでOKです。

もう一度繰り返します。
「転職理由を明らかにする。そして、それを整理する」
という極めて当たり前のことなのですが、これをしっかりやることで

絶対転職すべきなのか?
転職しないほうがよいのか?

がはっきりとしてきます。

そして、はっきりさせるにはコツがあります。

ほとんどの転職情報サイトで触れられていない部分ではありますが「現在の会社で満足していること」を明確にしておくこと。です。

転職に後悔しないための事前確認事項 ~具体的な方法編~

転職活動に後悔しないためには、まず「転職理由を明らかにする。」ことですが、基本的に実施することは紙に書き出すことです。これは科学的にも良い効果をもたらすことが証明されています(参考情報)。

具体的な手順は以下の通りです。

①思いつくままに「今の職場の不満を10個(以上)」書く
②思いつくままに「今の職場で満足していることを6個(以上)」書く
③転職で後悔した理由ランキング上位3位を書き写す
④自分自身の特有の転職せざるを得ない理由を書く
⑤書き出したリストを点数付けする。

さて、早速やってみましょう!といえど、そんなん書く気すら起きない。。。
そう感じたあなた。

通勤時に1個でも良いです。
スマホのメモアプリにメモしておきましょう!

それでも動き出せない方は、悪いことは言いません。
転職はやめるべきです。少なくとも今は、転職すべき時期ではありません!

さて、あまり大きな大きな声では言えませんが、例えば、私のケースにしたがって見てみましょう。

ステップ1:思いつくままに「今の職場の不満を10個(以上)」書く

私の場合(具体例)
1.汎用性のあるスキルが身につかない
2.仕事内容に興味が持てない
3.頭を使う仕事が少ない
4.新しいチャレンジがない
5.どうでもいい社内手続きが多すぎる
6.関係部署があまりにも非協力的
7.生活が不規則になる
8.機械のメンテナンス時間に時間がとられる
9.新しいことをやろうとするとほぼ確実に却下される(決断スピードが遅すぎる)
10.無駄に高圧的な社員がいる(コミュニケーションの効率が著しく低下する)

10個も思い浮かばない、と思うかもしれんが10個以上というのが重要です。無理やりにでも吐き出すことで平時では気づかなかった不満も見つかりますので頑張ってください!

では、次は良いところを書き出しましょう。

ステップ2:思いつくままに「今の職場で満足していることを6個(以上)」書く

私の例(具体例)
1.有名大企業なので社会的地位が認められやすい
2.給与水準が高い
3.職場の人間関係が良好
4.人事評価は良い
5.万が一にそなえての保障が手厚い
6.基本的に長時間労働は少ない

面白いことに、不満と満足を同時に書くことで「実は、転職しなくてもよいのでは?」と考え直す機会にもなります。もし、ここで直感的に「転職しないほうがよいな。」と感じたら素直に従いましょう

ステップ3:転職で後悔した理由ランキング上位3位を書き写す

ステップ3でやることは決まっています。以下を書き写します。

1.給与が下がったこと
2.会社の雰囲気が合わなかったこと
3.仕事内容や役職が話と違っていたこと

ステップ4:自分自身特有の転職せざるを得ない理由を書く

自分自身特有の転職せざるを得ない理由もしっかり書いておきましょう。

例えば、
1.通勤時間が長すぎてつらい
2.残業時間が長すぎてつらい
3.体育会系のノリがつらい

などが挙げられましたね。

ステップ5:書き出したリストを点数付けする

ステップ5からは、Excelなどの表計算ソフトを使うのが便利です。
リスト化して点数付けしていきます。

先ほど、書き出した文を「キーワード」に直します。
例えば、「汎用性のあるスキルが身につかない」なら、「スキル獲得」とします。

そして、重複する内容は一つのキーワードにまとめます。
例えば、「給与水準が高い」と「給与が下がったこと」は「給与」というキーワードにまとめられます。

少し難しいかもしれませんが、あまり難しく考えず思いついたキーワードでよいです。キーワードは10~13個になるようにするのが良いです。少なすぎても多すぎても、自分が重視するものがぼやけます。

私の場合は、重要度がきわめて低そうな「機械メンテナンス」のキーワードは省きました。

最後に点数付けを行います。次のルールに従って点数をつけてみましょう。

1)重要度:1~5点
仕事をする上で自分自身がどれだけ重視しているか?で点数を付けます。大きく重視するほど点数を高く付けます。

2)現在の満足度:1~5点
現在の仕事でどれくらい満足しているかを評価します。満足度が高いほど点数を高くします。

3)結果①=「重要度」×「現在の満足度」 で算出します。
例えば重要度=3、「現在の満足度」=4なら 3×4=12点 となります。

4)転職先の満足度:1~5点
転職先の満足度は現時点ではわかりません。従って、まずは、自分のイメージに従って想定で記入しますが、その後は面談での印象や質問結果で数値を修正します。

5)結果②=「重要度」×「転職先の満足度」で算出します。
具体例として、東大生にも人気のマッキンゼー(M社)の評価を勝手なイメージで点数付けしています。

キーワード重要度現在の満足度結果①転職先の満足度(M社)結果②
スキル獲得5210525
仕事内容515525
チャレンジ性428520
無駄の少なさ414520
関係部署の協調性414312
良い人事評価が得られる452014
残業の少なさ341213
会社の知名度2510510
職場の人間関係452028
人事評価制度5315525
昇給制度5420525
給料の高さ4416520
社内保障制度の良さ24812
合計点数152199


表中で示したように私の場合は、マッキンゼーのほうが転職した後の満足度は高そうだという結果になりました。ただ、直感的に「本当か?」と感じることがあるかと思います。その場合は直感に従ってください

実は、現在の会社と極端にカルチャーが異なる場合は単純な数字では比較できません。あくまで直感を主とし、判断に迷うときに数字評価する。この順番です。

しかし、やっぱり数字で判断したい。という方にはやり方があります。

例えば、マッキンゼーの場合ですと、きわめて能力の高い人が存在すると考えられ、残業時間もかなりのものと感じたとします。

その場合は、「良い人事評価が得られる」と「残業の少なさ」の満足度だけを10段階評価に変えてみましょう。10段階評価での点数付けは相対評価とします

例えば「残業の少なさ」でいえば、今の会社は20時間、転職後は200時間になりそうだな、と想像した場合は、現職の満足度が10、転職後の満足度が1になりそうです。

「良い人事評価が得られる」についても相対比較では、現職が8、転職後は1になるかもしれません。

こういう形で数字の調整をしていくと自分自身の価値観を正しく反映したオリジナルの評価シートが出来上がります。

一回、作ってしまえば後は楽です。
転職だけじゃなく、今後のキャリアを見直す際にもかなり役立ちます

まとめ:まず、面倒でも転職理由を明らかにしましょう!

転職エージェントに登録しなくてもできることはあります!

まず、だまされたと思って
「転職理由を明らかにして、満足度を評価する。」

小さな一歩から始めましょう!

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。